同志と、ほどよい距離感で

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書店で働いていると、
毎日のように「書き留めておきたいな」と思う瞬間があります。
このつぶやきはその中の、ほんのひとつ。

児童書売り場にて。
棚に本の補充をしたり、売りたい本を少しだけ前に出したり。
絵本への想いを、棚という形にできる時間。

30代くらいの女性。
ゆったりと売り場を見て回っています。

ひとりで来店されるお客さまの滞在時間は、複数での来店よりうんと長い気がします。

性別問わず、大人の方がひとりで児童書売り場にいると、私のアンテナが自然と反応します。

子どものために本を見に来た人じゃない。
自分の時間に、自分のために、絵本を選ぶ。
子ども向けである絵本を、真剣に楽しめる「同志」だ、と。

レジ業務の時間になり、売り場からレジへ移動。
児童書売り場にいた女性が、絵本を一冊、大事そうに抱えてこられました。

「いらっしゃいませ」
お会計を済ませると、彼女は「POPを読んで、買いました!」とにっこり。
「そうですか!ありがとうございます」と私もにっこり。

内心は、お祭り騒ぎだ。
「そのPOP、私が書いたんです!あの場面の描写がもう、たまらなくて…」と大興奮。
エプロンを脱いで、お茶でもしながら語り合いたいくらいです。

だけど。
そんな気持ちはグッとこらえて、彼女の後ろ姿に一言。
「またのご来店をお待ちしております」と通常運転です。


POPや表紙からどう感じて、その絵本を手にしたのか。
そんな問いは野暮です。

絵本と読み手だけの、これからはじまる内緒のお楽しみ。
いくら同志とは言え、邪魔をしちゃいけません。

気に入ってくれるといいな。
私、大好きなんです、その絵本。

またのご来店、お待ちしております。

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